- 前田 英継
写真展で学んできました
新潟も快晴が続く連休です。
昨日は、新潟市中央区の新潟絵屋さんで行われた、写真家・斉藤文夫さんのギャラリートークショーに参加してきました。
まずは新潟絵屋さんについて。
私は今回初めてお邪魔したのですが、新潟市中央区上大川前通10番町にある、大正期の町屋を改装した画廊です。

2000年に9人の有志により開設されたそうです。その後、2005年には認定NPO法人となっています。
ホームページによれば、多様な「よい美術」に触れることができる場を目指しているとのことで、月に3回を基本に、年間30余りの企画展を開催しているそうです。
決して広くはないですが、温かな雰囲気のとても落ち着く空間に作品が飾られていて、ゆっくりと、そしてじっくりと作品を楽しむことができる素敵な画廊です。

そんな新潟絵屋さんで5月2日から10日まで開催されているのが、「斉藤文夫 写真展『海の村 山の村』」です。
斉藤文夫さんは1933年生まれですから今年84歳になられた写真家で、郷土研究家でもあります。
昨日はその斉藤文夫さんのトークショーが開催されました。
私の勝手な好みなんですが、これまで写真というといわゆる「Art」として眺めていました。
「綺麗」な写真が好きだし、「綺麗」に撮影しようとします。もちろん、それはそれでいいことだと思っています。
そんな目線で最初に斉藤文夫さんの写真を見た時、その生々しさに何と言うか「違和感」を感じました。着飾ったところが何もない、素のままの写真。
その「違和感」から是非ご本人のお話を伺ってみたいと思い、トークショーへの参加を申し込んでいました。
その写真は、人々の日常の生活を捉えています。
今はダムの底に沈んでしまった集落や、過疎化が進み廃村となってしまった集落に、まだ活気があった時代の人々の日常生活を通して、人間の繋がりや日々を生きる喜びを感じさせる写真が数多く展示されていました。
そして、「毎日の暮らしに感謝する」といった意味のお話しがありました。
都会基準で見た時に、不便極まりない集落での生活なのですが、そこに暮らす人々には毎日生きていけることへの感謝があります。
自分が持っていないものを嘆くのではなく、自分に与えられたものに感謝し、言葉を交わす周りの人々の存在に感謝しながら、厳しくも優しい自然の中で毅然と暮らしていく人々の日常。そんなものが確かに存在したんだという事実を、写真を通して後世に伝えたい・・・斉藤文夫さんはそんな思いで写真を撮られているのではないかと思います。
「想い」
私もこれから「想い」を持って、仕事をしたり、遊んだり、毎日を暮らして行きたいと思います。
連休中にとても素敵な経験をさせていただきました。